理系のための英語力「スピーチはマーケティング戦略」

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今回は少し、上級向けです。

この記事は、理系の皆さんが、重きを置いている学会発表するためのスピーチの能力向上と直接はつながりません。しかし、応用編として、具体的に役立つ考え方なので、ぜひ最後までみてください。

英語スピーチの上達を目指す人へ

 

 

 

 

 

相手を説得したい、大切な情報を伝えたいなどの行動喚起をしたい、感動を与えたい、意識改革をしたい…。プレゼンやスピーチをする際、さまざまな目的があると思います。目的は異なれど、すべてのパブリックスピーキングに共通しているのは、聞き手に何らかの影響を与えたいという点です。

しかし、スピーチをする際、ほとんどの人は、まず原稿を書き始めたり、ワードに向き合うことからはじめます。

開発業務をする際、自分が作りたいものを最初に考え、なんとなくあたりをつけて、いきなり商品開発をしたりするでしょうか?

対象となる市場やターゲット顧客の調査や分析をまず行って、市場性やニーズ、顧客の欲しいものなどをよく知ることから始めるはずです。

自己中になっていませんか?

 

 

 

 

 

スピーチをする際、知らず知らずのうちに、そんな「自分中心のスピーカー」になってしまう人は意外にも多いものです。

「わたしの経験をまずお話します」

「今日は私が大好きなものを紹介します」

といったフレーズに聞いたことありませんか?

スピーチも聞き手にとってどんなメリットや学びが得られるのか?という「聞き手目線」も必要になります。

よく知らない相手に影響を及ぼすのは大変なことです。原稿を書き始める前に、マーケティングでいうところの「調査・分析」のプロセスが非常に重要になってきます。

相手目線で

相手目線でちょっと考えてみましょう。まず、聞き手はどんな人たちが集まっているのか。どんな知識を持っているでしょうか?どんな価値観があるでしょうか?

彼らが持つ興味、課題、問題を考えてみましょう。それを左右するのは個人の価値観です。まず、聞き手が大切にしているものを見つけ出すことが大切です。

次に、スピーカーとしての自分自身の役割や経験、知識などを観察してみましょう。あなたは、聞き手に何を与えられるのでしょうか?

そのトピックについて話すべきなのは、なぜ他の誰でもなく、あなたなのでしょうか?

聞き手とスピーカーとの間に、どんな共通の基盤があるのかを見つけ出しましょう。この共通の基盤を増やすことができれば、聞き手は、すぐにあなたと繋がってくれることでしょう。

例えば、英語のコミュニティでスピーチ練習をする場合、順番が回ってきて、最初の段階は自己紹介や自分の経験を、自分自身を知ってもらうと言うことに重点を置いてスピーチするのは当たり前です。そのうちに、順番が2巡3巡するなかで、次はなにをテーマとするか迷うことがあります。その際に、相手の関心があるようなテーマはなんだろうと、考えてみてください。

このようにして、まず、「マーケティング調査分析」をじっくり行ってみましょう。自分と相手との共通の基盤が見つかったら、それをどうやって言語化するのか?と考えるのが、次のステップです。

メッセージの言語化プロセスでは、ロジカルシンキングのアプローチを使うことで、より明確で「伝わる」精度の高いスピーチに仕上がっていきます。

このロジカルシンキングは、英語力を鍛えたから伸びるものではありません。しかし、スピーチとかプレゼンをすると言った経験を通して、非常に大事な内容だと気付きました。

学会発表の場合も、同一の考え方です。一つのスライドに、一つの主張を伝ええますよね。

ポイントは、たったひとつの大事なメッセージに絞り込むこと。

余計な言葉を削ぎ落とすことで、シンプルな内容になると非常に伝わりやすくなります。これはすべての「伝える」技術に不可欠な思考法を鍛えることです。

スピーチ・プレゼンで大切な視点

スピーチをする時は、必ず、何らかの目的があるはずです。

  • 相手を説得したい
  • 情報を伝えたい
  • 感動を与えたい
  • 行動推奨したい

などなど。

つまり一言でいうならば、「スピーチを通して、聞き手に何らかの影響を与えたい」わけです。

スピーチは誰のためにするかというと、それはあなた自身のためではなく、「聞き手に共感を持ち帰ってもらうため」なのです。

つまり、スピーチやプレゼンづくりの際に何よりも大切なのは、「私があなたに伝えたいこと」というような「自分目線」ではなく、「共感を得てもらう!」という「聞き手目線」なのです。

自分視点では、「相手に影響を与える」ことは難しいでしょう。

ですので、いきなり原稿を書き始めるより、「聞き手が何を求めているのか」この視点が大事ですね。

スピーチはマーケティング戦略に似ている

そういう観点からいうと、スピーチを考えることはとマーケティング戦略は非常に似ていると思います。こういうと少し驚かれるかもしれませんが、こう考えるとクリアになると思います。

マーケティングの戦略設計をする際、何から始めるでしょうか?対象となる市場やターゲット顧客の調査や分析をまず行いますよね。

スピーチも実は同じなんです。

「調査・分析」が「良いスピーチ」の基点

構成を考える前に、マーケティングでいうところの、「調査・分析」のプロセスが、非常に重要になってきます。

「感動させる」「説得する」「情報を伝える」など、「スピーチの目的」が挙げられますが、その目的を果たすためには、スピーチ構成を考える上で、どんな戦略を立てたらよいのか、更にその前に、どんな相手に対して論法で組み立てればいいのかをしっかりと考えることが、すべての「良いスピーチ」の基礎となります。

スピーチ原稿作成やパワポ資料づくりの前に必ずすべきこと。それは、「聞き手目線」で調査・分析し、それに基づいてどんなメッセージを構築していくのか、という、極めて重要かつ戦略的なプロセスを経ることなのです。

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コメント

  1. まきまき36 より:

    戦略的プロセスを成功させるためには調査と分析が不可欠ですね。

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