理系のための英語力 音読重視 【基礎編】

言語

理系の人たちの共通の嫌いな科目は、英語ではないでしょうか?理系は、数学や理科が好きなので、声に出して授業を受ける、英語や国語が嫌いなのでは?

私も、例に漏れず、音読が大嫌いでした。最近、再び英語を勉強し直しています。なんでこんなこと教えてくれなかったんだろうと思っています。年齢は関係ありません。正しいやり方をすれば、語学は上達します。

音読はとても効果が高い学習法です。ただその効果を感じるには、適切なやり方を守ることが不可欠。何も考えずにただ文字を声に出しているだけでは、おそらく30%ほどの効果しかないでしょう。

そこで、リピーティングや音読など「英語を聞いて声に出す」音読について初心者の方にも分かりやすく解説します!

英語の音読を取り組む前に?

カタカナ発音は✖️

それは英語と日本語の「音節の違い」を理解しましょう。

たとえばorange juiceの発音

カタカナ読みをした場合、「オ・レ・ン・ジ・ジュ・ー・ス」と7音節。

ところが実際の発音ではor・ange / juiceと、たった3音節です。

つまり、英語の音節にはない「オレンジジュース」という、発音しない7音節すべてを言おうとすると、ネイティブの人には別の音に聞こえます。

逆にリスニングでは、無いはずの7音節を想定するあまり、速くて聞き取れないという錯覚に陥ってしまいます。

そういう意味では、英語は速いのではなく、短いのです。

カタカナ発音を避けるべき理由の一つはまさにここにあります。

正しい音読の進め方は?

カタカナ発音から脱却するためにも、音読を効果的に進めるには「お手本の音声を聞くこと」が不可欠です。

はじめての音読』など数々の学習本を出版している安河内 哲也氏、そして『英会話・ぜったい・音読』の著者である国弘 正雄氏などの本を読んでみるのも良いかもしれません。

英語はコミュニケーションですので、音読だけに頼ると、リスニングに対するトレーニングが欠けているといいます。

リピーティング

「音読は、リスニングと一緒にトレーニングと組み合わせると効果を発揮する」

リピーティングでは音声をすぐに真似るので、聞いた英語のまま理解する力に繋がります。英語らしい発音やリズムも同時に身につけられます。文字を見ずに行うのでかなり負荷の高いトレーニングです

一方で音読は、読んだら意味が分かる「文字」を頼りに自分で発声します。リピーティングやシャドーイングと比べて、英文の意味をよりしっかりと落とし込めます。

つまり、リピーティング、シャドーイング、音読は、お互いの効果を高め合うということ。音読は「お手本の音を真似るトレーニング」といっしょに行うことで、効果が2倍にも3倍にもなります。

音読の具体的な手順

具体的にどうするかと言うと、音声があるテキストで

①音読する文章をきちんと理解する。もしくは意味が分かる文章を音読する。

②音声を聞きながら、その音声に自分の声をかぶせて音読する。(テキストを見ながらOKです!)

③音声を聞き、1文ごとに停止させ、真似て音読する。

④繰り返し、各5回(これ以上は全然OKです!)

まず私たちは文法や読解に力を注いできたせいで、どうしても「文字に依存している」といわれます。

そこでまず文字ではなく音(リスニング)で内容を把握すること、文字からイメージする音とCDから聞こえる音を一致させることで、「脱・文字依存」を目指します。

音読にはどんな効果があるの?

効果① 速読の力が身につく

まずはこの文章を声に出さず、静かに読んでみてください。

2行目までは簡単ですよね。そして3行目で「has been」が目に入ります。ここで私は「どれが主語?」と無意識に「campaign」に目を戻してしまいました。

黙読をしていると、無意識に「返り読み」をしてしまうのです。

一方で音読では、基本的に返り読みはできません。文章の意味をイメージしながら、前に読み進めていかなくてはならないのです。

つまり音読は「英語の語順に慣れる」ためのトレーニングになります。みなさんご存知だと思いますが、英語と日本語では語順が違いますよね。まずは簡単な文章を例にとってみましょう。

英語:I am reading a book.

日本語:私は 本を 読んでいます。

英語は「主語+動詞+目的語」なのに対して、日本語は「主語+目的語+動詞」です。この語順の違いが、私たちがリーディングやリスニングで英語を瞬時に理解するのが難しいと感じる理由のひとつです。

繰り返しになりますが、音読では返り読みができません。強制的に返り読みを減らすことで、日本語の語順を基準にせず、文章を前から理解する力、英語を英語のまま理解する力に繋がります。

そうやって音読を続けることで、返り読みが必要なくなり、速読の力が身につく(リーディングスピードが上がる)のです。

効果② リスニング力が伸びる

「英語を英語のまま理解する力」は速読にも繋がりますが、もっと嬉しい効果はリスニング力がアップすること。

これは先ほど言った、音読と組み合わせるべき「リピーティング」による効果と言ったほうが正しいかもしれません。

特にTOEICのリスニングセクションでも、音声が流れるのは1回のみです。

音声を使いながらの音読で返り読みを減らし、英語を語順どおり理解する力が身につけば、きっと効果を感じると思いますよ。

効果③ 発音がよくなる

音読は発音にも効果があります。

注意点は、お手本の音声を真似ましょう。最初の段階は、お手本の声をとにかく真似るということを信じましょう。きっと、発音もよくなります。

音読で、ある程度の長さの文章を読みこむことは「日本語訳は知っているけど、いつ使えばいいか分からないかも」というレベルの単語に大きな効果を発揮するのです。

音読についてのアドバイスと注意点

初心者はスラッシュリーディングを取り入れよう

「まだまだ英語の意味がパッと理解できない」という方は、音読に「スラッシュリーディング」を取り入れるのがオススメ。これは「意味のカタマリ」ごとに区切って(スラッシュを入れて)読む学習法です。

Yesterday / I visited my friend / I haven’t seen for many years.

そうすると英語の文構造を把握しやすくなります。

自分の声を録音してみよう

お手本の音声を聞いてから音読をするといっても、自分の発音が正しいか客観的に判断するのはなかなか難しいですよね。

オススメなのが自分の声を録音すること。そしてお手本と自分の声を比べましょう。気になった部分は何度も音読しなおしてみましょう。各単語の発音だけでなく、リズムやスピードにも気をつけてみましょう。

簡単だと思うレベルの教材を選ぼう

スクリプトを見れば、楽々と意味が理解できるレベルの文章を選びましょう。

そうしないと、音読で大切な「返り読みをしない」ということが困難になります。

音声が付いている教材を選ぼう

必ずお手本の音声が付いている教材を選びましょう。

文法書にある例文なども、文脈がよく分からないことが多いので、音読にはオススメしません。新聞や雑誌もお手本がないので、音読には向いていません。

棒読みにならないよう気をつけよう

誰かに読み聞かせをするイメージで、恥ずかしがらずに強弱や抑揚をつけて読んでみましょう。

文字に依存しすぎると感情を込めるのが難しいので、まず文字を見ながら音読、次に文字から目を外して音読、もオススメです。感情をこめて音読すると、文構造や単語の定着が良くなります。

音読にオススメの教材

先ほどから書いているように、音読はリピーティングと一緒にやる必要があります。

初めての音読

正しい音読で英語の基礎力をアップを目指して、6つのアプローチでわかりやすく解説しています。予備校や中学・高校での講演の他、大学での特別講義で有名な安河内 哲也氏、様々な英語本を書いている実績のある先生です。

音読パッケージトレーニング

やはりこちらの『音読パッケージトレーニング』シリーズです。著者の森沢氏は瞬間英作文の本もたくさん出版しており、1つの本が50万冊も売れているほどの人気ぶりです。

効果的な音読の進め方が細かく書かれているので、まずはこれ1冊をやり込んでみるといいと思います。

英会話・ぜったい・音読

各ユニットで中学レベルの基礎的な文法がカバーされている、音読専用の本です。会話形式のダイアログが多いので、音読しやすいと思いますよ。


レベルは入門、標準、挑戦編。著者は有名な同時通訳者。

まとめ:音読は正しくやれば効果大!

音読の正しい進め方は、リピーティングといった、お手本の音声を使ったトレーニングと組み合わせること。たくさんの嬉しい効果があります。

  • 速読の力が身につく
  • リスニング力が伸びる
  • 発音がよくなる
  • 単語を正しい状況で使えるようになる

正しい音読で「英語を英語のまま前から理解する力」を身につけ、リスニング力アップを目指しましょう!

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