地方から大学進学のため都会に出て、そのまま就職された方や、育った地域では職がなく、都会に職を求めて就職された方が、地元に戻って働く「Uターン転職」。ここでは、親の介護を考えるきっかけは考えて見ました。私も親の介護のために毎週長距離バスを利用して通った経験があり、真剣に考えた時期があります。
今回は、親の介護に際して、地元にUターン転職するメリットと、デメリットを考えて見たいと思います。
目次
Uターン転職を考える理由
通常の転職とは異なり、Uターン転職にはライフスタイルが大きく変わる可能性が高いです。
私もそうだったのですが、地方で生まれた方が東京や大阪といった都心部で働ていました。母親の病気がきっかけで地元に頻繁に通わなければいけないことが、発生することがあります。
Uターン転職を考えるのでしょうか。代表的な理由は4つあります。
1 親の介護
多いのが、40代50代になった頃に、両親のどちらかが体調を崩したことをきっかけが多いと思います。特に、難病であったり、長期化する病気では、頻繁に帰省する必要が出て来ます。特に、親が一人となった場合は、真剣に考え出します。
「近くに住んで支えたい」と思い始める方もいれば、まれに、親から「戻ってきてほしい」といわれることもある事例も聞いたことがあります。
介護のために頻繁に都会と地元を往復すると、心身ともに疲弊したり、交通費もかさんで来ます。それならば、Uターン転職すればということで、選ぶというパターンもあります。
2 通勤のストレス
都心では、通勤ラッシュをもあり、通勤に1時間以上かかることも、よくあるケースです。50代くらいの人はそうでもないかもしれませんが、30代の方などは、通勤時のストレスを非常に大きく捉え、地元へのUターン転職を考える人は少なくありません。
3 住居費が高い
比較的、家賃が安い郊外に家を借りたり、買ったりして、職場に通うにしても、地方と比較して、住宅の支出はかなり大きくなっています。
基本的に、地方は都心と比べて家賃相場が低いことや、親の家に同居することができるならば、住居費が抑えられる場合もあるかもしれません。
Uターン転職をするメリット
Uターン転職のメリットを考えて見たいと思います。
住居費が抑えられる
都心の住居にかかるコストはとても大きな問題です。将来に備えて少しでも貯金したいという方にとっては、かなり出費が大きいというこちゃ、これから子育ての教育費にお金がかかるという現実があります。
地方では、都心より安い家賃で広い住まいを借りれたり、入手することができ、住宅費を抑えることが可能です。
通勤ストレスがない
地方は、通勤ラッシュや渋滞が少ないというメリットがあります。地方では職場までの距離が大幅に近いため、通勤にかかる時間も自転車や車で数分ということが少なくありません。
ひどい渋滞や通勤ラッシュを避けることができる、通勤時間を短縮することがで、精神的に余裕を持って暮らしやすくなる。
海外の研究では、通勤ラッシュが精神的な重荷になっていることを示すデータもあるようです。
渋滞や通勤ラッシュに悩まされずに済めば、今までよりも余裕を持って仕事に取り組めるかもしれません。
介護の負担が軽減される
両親の介護が必要な場合、同居する、もしくは近くに住むことによって、遠方からの長距離移動など介護にかかる肉体的・金銭的負担が軽減されます。
都心に両親を呼ぶという方法もあります。私も経験しましたが、一旦は呼び寄せましたが、結局、「長く暮らしたところで一生を終えたい」と言って、帰りたいということを言い出し、結局生まれ育ったところに帰ることになりました。いろんな事例を聞きましたが、転居を勧めるのは難しいようです。
慣れ親しんだ場所で働ける
土地勘のない場所で仕事を始める場合、地域の風習や習慣に戸惑うことがありますが、生まれ育った土地なので、順応しやすいメリットがあります。
都心の暮らしに違和感を感じていた方は、地元に帰ることで自分らしく生きることの喜びを発見できるかもしれません。
働き口はとしては、ある可能性が高い
職が見つかるのか?というのが、Uターン転職にあたって大きな心配の一つです。しかし、人口の流出が続く地方の介護の現場では、人材の確保が喫緊の課題です。
給与水準は当然、都心ほど高くはありません。しかし、長く働いてもらうために待遇を充実させようとしている企業も増加しているようです。
Uターン転職するデメリットとリスク
メリットが多いUターン転職ですが、もちろんデメリットがないわけではありません。
具体的には、以下のようなリスクに注意が必要です。
希望に合った求人が見つかりにくい
都心と比較して、企業数が少ないため、希望の職種・業種の求人が極端に少なかったり、全くなかったりする場合があります。
近年の傾向としては、国が地方創生に力を入れていることもありますが、まだまだ、実態は、少ないのが現実です。
最も条件に合う職場で採用に至らなかった場合、他の転職先の候補がなかなか見つからなかったり、かなり離れた場所まで通わざるをえなかったりする可能性があります。
また、働き始めた後で人間関係や労働環境に悩んでも、再転職先が見つかりにくいという点も、リスクとして知っておく必要があります。
「実家がある」「地元だから勝手がわかっている」という場合でも、希望していた職種の求人がほとんどなかったという事例もあるようです。
転職前には情報をリサーチの上、できるだけ仕事を決めてから現在の企業を退社するということは真っ先に考えたほうがいいとおもいます。
年収が下がる
年収が高いのは東京都、神奈川県、大阪府、愛知県といった大都市圏で、地方に行けば行くほど下がるという認識は必要です。
Uターン転職による年収ダウンは覚悟しなければならない現実の一つと言えそうです。
かなり抑えめに希望年収を提示しているにもかかわらず、
「うちではこれが精一杯だよ。こんな額、うちでは役員待遇だ」
という笑えぬお話も、数知れず。
Uターン転職を決める前に、住居費、教育費、親の介護費用といった生活に最低限必要なコストを算出しましょう。と、転職先の年収で無理なく生活できるか検討しましょう。
Uターン転職はこんな人におすすめ
メリット・デメリットを踏まえて、Uターン転職はどんな人に向いているのかについて見ていきましょう。
収入よりも生活の質を重視する人
Uターン転職のデメリットのひとつとして挙げたように、地方では都心に比べて年収がダウンする傾向があります。
そのため、Uターン転職をする場合は、「たとえ年収が下がっても、通勤ストレスがないほうがいい」「子供にとって過ごしやすい環境が確保できれば満足」というように、「年収よりも大切にしたいこと」があることが重要です。自分で畑を持って食費が浮いたり、住居費が大幅に下がることはありますが、変化すると思う項目を箇条書きに書き出して比較してみるとよいでしょう。
満足度を感じる部分が収入以外にあるなら、Uターン転職を成功に導く道が見えてきます。
多少の不便が我慢できる人
大都市圏での生活に慣れていると、娯楽の少なさや買い物の不便さなど、地方ならではの不自由さに直面することがあるかもしれません。
多少の不自由を、「地方ならでは」と割り切ることは、地方で生活する上で大切な要素です。
Uターン転職を成功させるために
何事も事前のリサーチが肝心です。
「生まれ育った場所だからなんとかなるだろう」といった甘い気持ちでUターン転職をするとだめなようです。
住もうと思っている地域の環境や雰囲気、転職先の候補、できる限り情報を集めておきましょう。
「転職活動がうまくいかない、収入がない、生活が苦しい」「Uターンしたが求人がない」といった状況を避けるため、現地の求人の動向、転職活動の期間を調べておくことが大切です。
現職が忙しくて調べる時間がない方や、転職が初めての方は、思い切って転職エージェントを活用を考えて見てはどうでしょう。
特に全国規模で支店がある大手なら、都市から地方へ求人問い合わせをしてくれる場合があります。
コメント
Uターン転職で負担が軽減されるんですね